今回は、重要でありながら誤解されやすい「特許事務所の代替え論」について整理してみます。
Q.AIは、特許事務所の役割に代わるものですか。
A.AIは強力なツールですが、特許事務所の代わりになるものではないと考えています。特許事務所の仕事には、単に文章を書くことだけでなく、法的判断、依頼者の事情、出願戦略など、複数の要素を踏まえた総合的な判断が含まれます。AIは整理や下書きには非常に有効ですが、こうした背景文脈を踏まえた判断をそのまま引き受ける存在ではありません。
サッカーの試合に例えてみます。新しい能力を持った選手「AI」が投入されると・・・、観客は「誰かの代わりに入るのだろう」と考えがちです。しかし実際には、その選手が入ることで他の選手の動きや戦術が変わり、チーム全体のプレーが別のものになることも少なくありません。
AIの導入も同様で、「誰かを置き換える」というより、仕事の役割分担や重心が変わると捉えたほうが実態に近いと感じています。もちろん、特許事務所の役割も変わるかもしれません。
だからこそ、チーム監督やマネージャーの役割は重要になります。「AI」という新しい戦力をどう活かすか、どこに人の判断を残すかを設計することが、最初の仕事になるでしょう。
その結果としてコストが下がることはあるかもしれません。しかし、それを目標にしてしまうと、かえって判断を誤る可能性もあると思います。
リーダーが「コストは結果であって、目的ではない。AIと特許事務所を含めたみんなで、勝ちに行こう!」という姿勢を示して、キックオフするのがいいでしょう。