Q.AIドラフティングと技術分野の相性について教えてください。
A.初稿レベルの特許明細書を作成することを想定してお話しします。提出可能なレベルまで引き上げるには、特許明細書を作成するプロ(弁理士)の観点からの見直しが前提になると考えています。
<IT・通信>
IT・通信分野は、仕様や処理内容を論理的に整理しやすく、AIとの相性は比較的良いと感じています。直列処理・簡単な判定処理などについては、人が整理するのと大きな差はありません。一方で、AIが書きすぎたり、内容を盛りすぎる傾向もあるため、どこまで絞り込むかは人が意識して調整する必要があります。
<物理系>
物理系も、予測可能な原理に基づく分野であり、AIと相性が良い印象です。特に光学や電磁気など、学術的に整理されている分野では、用語やデバイスが明確なため、内容が発散しにくくまとめやすいと感じています。構成が過度に複雑でなければ、図面作成も比較的スムーズです。発明者に仕組みを整理して頂ければ、特許明細書の形にする作業自体は比較的行いやすいでしょう。
<機械分野>
機械分野については、きちんとした図面をご用意して頂ければ、AIドラフトは予想以上に文章整理の補助として使えると感じています。平面構造は、ある程度説明できるようです。立体構造については、既知の技術がベースであれば、対応してくれると思いますが、新規であって複雑な構造については、AIではうまくまとまらないかもしれません。単純な構成のものからチャレンジしてみると、AIでできるところ、できないところが見えてくると思います。
<生物系・化学系・材料系>
生物系・化学系・材料系については私の専門外であり、実際に試した経験はありません。一般論としては、これらの分野は結果の予測性が高くないケースも多く、実験結果そのものが発明の柱になるという印象を持っています。したがって、既知データに基づくAIモデルでは対応しきれない場面もあるだろうと推測します。発明としてのアピールは別として、まずは資料を整理し書類としてまとめる補助から使ってみるのも一案かと思います。
※いずれの分野でも、AIは「理解」ではなく「整理」を担当している、という前提で評価しています。